周易本義爻辞
紱の音は弗。亨は享と読む。
酒食に困しむとは、厭飫苦悩の意なり。酒食は人の欲する所なるも、酔飽宜しきを過ぐれば則ち反りて困しむ所となる。朱紱方に来たるは、上これに応ずるなり。九二は剛中の徳ありて以て困の時に処る。凶害なしと雖も、反りてその欲する所を多く得るに困しむ。故にその象かくの如し。而してその占は享祀するを以て利ろし。もし征行せば則ち時に非ず、故に凶にして義においては咎なきなり。
第2爻
九二:酒食に困しむ。朱紱まさに来たらんとす、用いて亨祀するによろし。征けば凶なれども、咎なし。
困卦の九二は、困難の渦中にありながらも中庸の徳を備え、世俗のしがらみに煩わされつつもやがて引き立てを得る象です。内面の誠実さを保ち、軽挙妄動を慎むことで苦境を好機へと転じられます。
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易経・四柱推命のリーディング依頼(eastalmanac.com より)。 Page: Hexagram 47 困 — 第2爻. 二層構造で解釈してください。1)理法の根拠:卦爻の変爻や干支五行の力点と注意すべき盲点。2)実践的アドバイス:問いに対する率直な結論、動詞から始まる2〜3の具体的な行動指針と内省の要点。決定論を排し、自省と意思決定の参考にしてください。出典・詳解: https://eastalmanac.com/ja/yijing/47/2
伝統的な易学において、九二は坎の険難の中央にありながら剛健な中庸を得ており、眼前の酒食や世俗の雑務に縛られる象とされます。『小象伝』が「中に慶びあるなり」と説くように、心の中心が正しければ天の助けと高貴な引き立てを象徴する朱色の帯が訪れます。外へ急進すれば凶となりますが、誠意を尽くして祈るように本分を守れば過ちは免れます。端的に言えば、目の前の煩わしさに流されず誠意を尽くしていれば、やがて正当な評価が届きます。
日常の雑務や煩雑な人間関係、形式的な付き合いに追われ、本来の能力を発揮しづらい焦りを感じやすい時です。しかし、誠実に業務をこなす姿勢は水面下で上層部や有力者にしっかり見届けられており、助け舟や抜擢の兆しが近づいています。無理に派手なアピールや急な配置転換を狙うのではなく、職責を全うすることが結果的に近道となります。端的に言えば、目の前の雑務を腐らずこなすことで、自然と引き立ての機会が巡ってきます。
現実的な生活の雑事や形式的な付き合いに追われ、二人の関係が形骸化しやすい傾向があります。見栄や世間体を気にするあまり本音を隠してしまうと、心に不要な摩擦を生み出しかねません。飾らない誠意と思いやりを相手に示すことで、外的なストレスに揺るがない信頼関係を築くことができます。端的に言えば、外側の体裁よりも二人の率直な心の通い合いを大切にしましょう。
交際費や儀礼的な出費が重なり、一時的に資金繰りの窮屈さを感じやすい局面です。しかし基盤そのものは崩れておらず、公的な支援や目上の引き立てによって徐々に滞りが解消される見込みがあります。投機的な儲け話や無理な融通に走ることなく、透明性の高い収支管理を続けることが大切です。端的に言えば、一時的な出費増には落ち着いて対処し、堅実な本業の収入を守ることが一番です。
「酒食に困しむ」とは、中にして慶びあるなり。
周易本義爻辞
紱の音は弗。亨は享と読む。
酒食に困しむとは、厭飫苦悩の意なり。酒食は人の欲する所なるも、酔飽宜しきを過ぐれば則ち反りて困しむ所となる。朱紱方に来たるは、上これに応ずるなり。九二は剛中の徳ありて以て困の時に処る。凶害なしと雖も、反りてその欲する所を多く得るに困しむ。故にその象かくの如し。而してその占は享祀するを以て利ろし。もし征行せば則ち時に非ず、故に凶にして義においては咎なきなり。
周易本義小象伝
陰柔にして中正ならず、故にこの象あり、而してその占は則ち凶なり。石は四を指し、蒺蔾は二を指す。宮は三を謂い、妻は則ち六なり。その義は則ち繋辞に備われり。初六は九四の正応なるも、九四は位に処ること当たらず物を済う能わず、初六は方に下に困しみてまた九二の隔つる所となる。故にその象かくの如し。然れども邪は正に勝たず、故にその占は吝と為すと雖も必ず終わりあるなり。金車は九二となすも、象は未だ詳らかならず。坎に輪の象あるを疑うなり。
伊川易伝爻辞
酒食は人の欲する所にして、恵を施す所以なり。二は剛中の才を以て困の時に処る。君子は遇う所に安んじ、窮厄艱難と雖もその心を動かす所なく、その困たるを恤えざるなり。困しむ所は唯だ欲する所に困しむのみ。君子の欲する所の者は、天下の民を潤し天下の困を済うなり。二は未だその欲を遂げてその恵を施すを得ず、故に酒食に困しむとなすなり。大人君子は其の道を懐きて下に困しむに、必ず有道の君を得て求めてこれを用い、然る後にその蘊く所を施す能う。二は剛中の徳を以て下に困しみ、上には九五剛中の君あり、道同じく徳合えば必ず来たりて相求めん。故に「朱紱方に来たる」と云う。方に来たるとは、方に且つ来たらんとするなり。朱紱は王者の服にして膝を蔽うものなり。行く来るを以て義となす故に、膝を蔽うものを以てこれを言う。亨祀を用うるに利ろしとは、亨祀は至誠を以て神明に通ずるなり。困の時に在りて、至誠を用いること亨祀の然るが如くするに利ろし。その徳既に誠なれば、自ら能く上に感通せん。昔より賢哲の幽遠に困しみて徳遂に昇聞し、道遂に用となれる者は、惟だ至誠を自守せるのみ。「征けば凶、咎なし」とは、方に困しむの時、若し至誠にして安処し以て命を俟たず、往きてこれを求むれば、則ち難を犯して凶を得ん。乃ち自ら取るなり、将た誰をか咎めん。時を度らずして征くは、乃ちその所に安んぜずして困の動かす所となるなり。剛中の徳を失いて自ら凶悔を取る、何の怨み咎むる所あらん。諸卦の二・五は陰陽相応ずるを以て吉とするも、惟だ小畜と困とは乃ち陰に厄せらるるが故に、同道相求むるなり。風天小畜は陽の陰に畜われる所となり、沢水困は陽の陰に揜わるる所となればなり。
伊川易伝小象伝
欲する所に困しみて未だ恵を人に施す能わずと雖も、然れどもその剛中の徳を守らば、必ず能く亨を致して福慶あらん。時未だ亨通ならざらしむと雖も、その中徳を守るも亦た君子の道亨るなり、乃ち慶あるなり。
周易注爻辞
享祀す。征けば凶、咎なし。
陽を以て陰に居り、謙を尚ぶ者なり。困の時に居りて、処りてその中を得たり。夫の剛質を体して中を用い謙を履み、応は一に在らず、心に私する所なし。盛んなることこれに先立つもの莫し。夫れ謙を以て物を待てば、物の帰する所となり、剛を以て険に処れば、難の済う所となる。中を履めば則ちその宜しきを失わず、応無ければ則ち心に私恃なし。斯を以て困に処れば、物至らざる莫く、豊衍に勝えず。故に「酒食に困しむ」と曰う、美の至りなり。坎は北方の卦なり。朱紱は南方の物なり。困に処りて斯くの如くなれば、能く異方を招く者なり。故に「朱紱方に来たる」と曰うなり。豊衍盈盛なり、故に「用いて享祀するに利ろし」。盈ちてまた進むは、傾くの道なり。これを以て征かば、凶誰をか咎めん。故に「征けば凶、咎なし」と言うなり。
周易正義爻辞
「九二、酒食に困しむ」より「咎なし」に至る。
正義に曰く、「酒食に困しむ」とは、九二は剛を体して陰に居り、中に処りて応なし。剛を体すれば則ち健にして、能く険を済うなり。陰に居れば則ち謙にして、物の帰する所なり。中に処れば則ちその宜しきを失わず、応無ければ則ち心に私党なし。困に処ること斯の如くなれば、物至らざる莫く、豊衍に勝えず。故に「酒食に困しむ」と言うなり。「朱紱方に来たる、用いて享祀するに利ろし」とは、紱は祭服なり。坎は北方の卦なり。紱は南方の物なり。困に処りて謙を用うれば、能く異方を招く者なり。故に「朱紱方に来たる」と言うなり。異方を挙ぐる者は、物の至らざる無きを明らかにす。酒食豊盈にして、異方帰向し、祭れば則ち福を受く。故に「用いて享祀するに利ろし」と言うなり。「征けば凶、咎なし」とは、盈ちてまた進むは傾敗の道、征くを以てすれば必ず凶なり。故に「征けば凶」と言う。自ら進みて凶を致す、怨み咎むる所なし。故に「咎なし」と言うなり。
周易正義小象伝
正義に曰く、「中に慶あり」とは、二は中徳を以て物に被り、物の頼る所となるを言う。故に「慶あり」と言うなり。
一撮金爻辞
九二の二爻、上中:足は安からず、心は安からず。両々の事相得て、憂い来たりて却ってまた歓ぶ。