周易本義爻辞
陰柔の小人であり、上に強援ありて時を得て事を主とす。ゆえにその豫に勝えずして自ら鳴らすをもってす。凶の道なり。ゆえにその占かくのごとし。卦の名を得るは本来和楽のためであるが、卦辞は衆楽の義となし、爻辞は九四が卦と同じきを除く外は、皆自楽となす。ゆえに吉凶の異なりあるなり。
第1爻
初六:鳴豫、凶なり。
初六は豫の始まりにあって、有力な上位の引き立てを頼みにし、わずかな成功で得意気に歓楽を吹聴してしまう危うさを表しています。伝統的な解釈では、実力が伴わない段階で慢心して周囲に自慢することは、自らの志を行き詰まらせて災いを招く凶の兆しと戒められます。
AIにこのページを聞いてみる
リンクはプロンプトを事前入力するだけで送信しません — 主導権はあなたに。リンクが効かない場合は下のプロンプトをコピーしてください。
易経・四柱推命のリーディング依頼(eastalmanac.com より)。 Page: Hexagram 16 豫 — 第1爻. 二層構造で解釈してください。1)理法の根拠:卦爻の変爻や干支五行の力点と注意すべき盲点。2)実践的アドバイス:問いに対する率直な結論、動詞から始まる2〜3の具体的な行動指針と内省の要点。決定論を排し、自省と意思決定の参考にしてください。出典・詳解: https://eastalmanac.com/ja/yijing/16/1
初六は柔弱にして最下位にあり、本来は慎むべき立場ですが、力ある九四と応じていることに甘えて分不相応な驕りを生じさせます。『小象伝』が「志窮まりて凶なるなり」と評するように、目先の小さな甘い蜜に浮かれて志の浅さを露呈してしまう姿です。端的に言えば、後ろ盾や小さな進展を鼻にかけて軽率に誇示すると、一転して孤立と失脚を招くことになります。
職場では有力な先輩とのパイプができたり、関わった案件が好調な滑り出しを見せたりした際に、自慢話や誇示行動を取ると強い反感を買います。実質的な成果やスキルが伴っていない段階での軽はずみな態度は、同僚からの嫉妬だけでなく上層部からの信頼失墜にもつながります。要するに、足場が固まるまでは手柄を語らず、謙虚に実務を積み重ねることが身を守る最善策です。
恋愛関係において、相手に好かれていることに安心しきって傲慢になったり、周囲にパートナーとの関係を誇示して軽薄に振る舞ったりしやすい傾向があります。内面の配慮を欠いた自惚れた態度は、相手の心を急速に冷めさせ、信頼関係を内側から損なう要因となります。一言で言えば、関係がうまくいっている時こそ虚栄心を捨て、相手への感謝と思いやりに徹することが大切です。
金銭面では、少しばかりの利益が出た途端に気が大きくなり、高価な買い物を自慢したり無謀な出費に走ったりしやすい警戒すべき局面です。伝統的な戒めにある通り、未確定の利益や一過性のツキをあてにして見栄を張ることは、あっという間に手元を枯渇させる原因になります。端的に言えば、小さな儲けに浮かれて散財せず、手元に残った分を静かに守ることが肝要です。
初六の鳴豫は、志窮まりて凶なるなり。
周易本義爻辞
陰柔の小人であり、上に強援ありて時を得て事を主とす。ゆえにその豫に勝えずして自ら鳴らすをもってす。凶の道なり。ゆえにその占かくのごとし。卦の名を得るは本来和楽のためであるが、卦辞は衆楽の義となし、爻辞は九四が卦と同じきを除く外は、皆自楽となす。ゆえに吉凶の異なりあるなり。
周易本義小象伝
窮とは満極をいう。
伊川易伝爻辞
初六は陰柔をもって下に居り、九四は豫の主にしてこれに応ず。これ不中不正の小人が豫に処りて上の寵を受くる所となり、その志意満極してその豫に勝えず、音声に発するに至る。軽浅なることかくのごとくなれば、必ず凶に至るなり。鳴とは声に発するなり。
伊川易伝小象伝
「初六」というは、その陰柔をもって下に処り、志意窮極してその豫に勝えず鳴くに至るをいう。必ず驕肆にして凶を致すなり。
周易注爻辞
豫の初めに処りて、特(ひと)り志を上に得、楽しきこと過ぐればすなわち淫し、志窮まればすなわち凶なり。豫を何ぞ鳴らす可けんや。
周易正義爻辞
正義に曰く、「鳴豫」とは、豫の初めに処りて独り九四に応ずるを得、逸豫の甚だしきにして、これ声豫に鳴るなり。但し逸楽の極みは、過ぐればすなわち淫荒す。独り楽しきを得る、ゆえに「凶」なるなり。
周易正義小象伝
正義に曰く、「鳴豫」の義を解釈する。初時は豫を鳴らし、後はすなわち楽しき志窮まり尽くす。ゆえに「凶」となすなり。