周易本義小象伝
上逮とは、その誉命が上に聞こゆるを言うなり。
第5爻
六五。雉を射て一矢亡うも、終に誉命を以てす。
旅の卦の上卦中央に位置する六五は、一時的な小さな代償を払いつつも、持ち前の誠実さと徳によって確固たる信頼と栄誉を勝ち取る姿を示しています。旅先や不慣れな環境にあっても、目先の些細な損得に囚われず礼節を尽くすことで、道が大きく開かれます。
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易経・四柱推命のリーディング依頼(eastalmanac.com より)。 Page: Hexagram 56 旅 — 第5爻. 二層構造で解釈してください。1)理法の根拠:卦爻の変爻や干支五行の力点と注意すべき盲点。2)実践的アドバイス:問いに対する率直な結論、動詞から始まる2〜3の具体的な行動指針と内省の要点。決定論を排し、自省と意思決定の参考にしてください。出典・詳解: https://eastalmanac.com/ja/yijing/56/5
伝統的な易学解釈では、「雉を射て一矢を失うも、終には誉命を以てす」という象意は、微小な初期投資や犠牲がやがて大きな承認や名誉に結びつく過程を表すとされます。陰爻として柔順に中庸の徳を守るため、周囲との協調を保ちながら着実に上へと通じる運気です。目の前の小さな負担を惜しまず、大局的な価値に目を向ける姿勢が成功を導きます。
仕事面では、事前の準備や調整のために余分な手間やコストを負担する場面があるかもしれませんが、それを通じて発揮される実務能力が高く評価されます。小象伝が「上に逮ぶなり」と説くように、地道で謙虚な仕事ぶりはやがて上層部や有力な協力者の目に留まり、確固たる地位や抜擢につながるでしょう。短期的な苦労を厭わず誠実に行動することが、長期的なキャリアの信用を築きます。
対人関係や恋愛においては、相手のために時間や気配りを少し多めに差し出す姿勢が、深い相互理解と信頼関係の礎となります。雉が象徴する洗練された美徳と敬意を忘れずに関係を育むことで、初めのぎこちなさはやがて温かな絆へと変化していきます。小さな譲歩を惜しまず誠意を持って接することが、実りある関係を育てる近道です。
金運においては、人脈づくりや将来の基盤づくりのための出費を戦略的な必要経費と捉えることが大切です。矢を一本失うことと引き換えに成果を得るという易理の通り、目先の僅かな出費を過度に惜しむよりも、確実な信頼関係や信用資産を築くことに資源を配分するのが得策です。長期的なリターンを見据えて適切に投資することが、財政基盤を強固にします。
「終に誉命を以てす」とは、上に逮ぶなり。
周易本義小象伝
上逮とは、その誉命が上に聞こゆるを言うなり。
伊川易伝爻辞
六五は文明柔順の徳あり、処りて中道を得て上下これに与す。旅に処るの至善なる者なり。人の旅に処るに、能く文明の道に合するは善と謂うべし。羈旅の人は動きてあるいは失うときは則ち困辱これに随う。動きて失うこと無くして然る後に善と為す。離を雉と為すは文明の物なればなり。雉を射るとは、文明の道を手本として必ず合することを謂う。雉を射るに一矢を亡うがごとく、発して中らざるは無ければ、終には能く誉命を致すなり。誉は令聞(善き名声)なり。命は福禄なり。五は文明の位に居り、文明の徳あり、故に動けば必ず文明の道に中るなり。五は君位なれども、人君に旅は無く、旅なれば位を失う、故に君の義を取らず。
伊川易伝小象伝
文明柔順の徳あれば、則ち上下これに与す。逮は与なり。能く順いて上に承じて、上がこれに与するは、上の逮ぶ所となるなり。上を言いて下を得るは、下の上逮する所となるなり。旅に在りて上下がこれに与す、誉命を致す所以なり。旅とは困しみて未だ安んずる所を得ざるの時なり。「終には誉命を以てす」とは、終にはまさに誉命を致すべしということなり。すでに誉命あらば則ち旅に非ず。困しみて親しみ寡きときは則ち旅と為す、必ずしも外に在るを要せざるなり。
周易注爻辞
雉を射るに一矢を以てして、またこれを亡うとは、雉ありといえども終には得べからざるを明かすなり。寄旅にして進み、文明の中に処りて貴位に居るといえども、この位は終には有すべからざるなり。それ能く禍福の萌しを知り、その処を安んじて以てその下に乗ずることなく、上に承ずるを以て、故に終には誉を以て命ぜらるるなり。
周易正義爻辞
「六五、雉を射て」より「誉命を以てす」に至る。
正義に曰く、「雉を射て一矢亡う、終には誉命を以てす」とは、羈旅は盛位に処るべからず。六五は羈旅の身を以て貴位に進み居れども、その位は終には保つべからず。これを雉を射るに譬うるに、ただ一矢のみ有りて、これを射てまたその矢を亡失せば、その雉は終には得べからざるがごとし。故に「雉を射て一矢亡う」というなり。然れども文明の内に処り、能く禍福の幾を照らし、下に乗じて以て権を侵さず、上に承じて以て自ら保つ。故に終には美誉を以て爵命を見るを得る。故に「終には誉命を以てす」というなり。
周易正義小象伝
正義に曰く、「上逮」とは、逮は及なり。能く承じて上に及ぶを以て、故に「終には誉命を以てす」を得るなり。