伊川易伝爻辞
五と四は君臣徳を合わせ、剛中正・巽順の道をもって渙を治め、その道を得ている。ただ人心に浹洽(ゆきわた)れば順従するのみである。まさに号令をして民心に洽からしめること、人身の汗が四体に行きわたるがごとくすれば、信服して従うであろう。かくのごとくなれば天下の渙を済うことができ、王位に居るに称(かな)いて咎なきを得る。大号とは大政令であり、民を新たにする大命、渙を救う大政をいう。ふたたび渙と云うのは、上は渙の時をいい、下は渙に処するをいう。かくのごとくなれば咎なきを得る。四においてすでに元吉を言い、五においてはただその位に称うことを言うのみである。渙の四・五を通言するのは、渙は離散をもって害となし、これを拯いて合せしめるものであり、君臣功を同じくし力を合わせずしてどうして済えようか。爻の義相須つは、時の宜しきところである。