周易本義卦辞
遯は徒困の反。
遯は退避なり。卦たる、二陰ようやく長じ、陽はまさに退避すべし、ゆえに遯と為す。六月の卦なり。陽はまさに遯るべしと雖も、然れども九五は当位にして下に六二の応あり、猶お以て為すあるべし。ただ二陰の下にようやく長ずるにおいては、その勢いは遯れざるを得ず。ゆえにその占いは君子能く遯るれば身は退くといえども道は亨り、小人は正を守るに利ろしとし、ようやく長ずるの故を以て陽を侵逼するべからず。小とは陰柔の小人を謂うなり。この卦の占いは否の初・二の両爻と相類す。
それぞれの暦日は一つの卦に決定論的に対応します——文王卦の順で64日を一巡する連続輪転によるものです。占わず、乱数もありません。
遯:亨る。小しく貞しきに利ろし。
遁卦は天の下に山がそびえる姿を描き、下から迫る陰の勢いに対し、自ら品位を保って身を引くことで好機を待つ知恵を象徴します。伝統的な易学では、退避は敗走ではなく、時勢と調和しながら力を蓄える積極的な防衛策であると位置づけられます。
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易経・四柱推命のリーディング依頼(eastalmanac.com より)。 Page: Daily hexagram 2025-12-26: #33 天山遁. 二層構造で解釈してください。1)理法の根拠:卦爻の変爻や干支五行の力点と注意すべき盲点。2)実践的アドバイス:問いに対する率直な結論、動詞から始まる2〜3の具体的な行動指針と内省の要点。決定論を排し、自省と意思決定の参考にしてください。出典・詳解: https://eastalmanac.com/ja/daily-hexagram/2025-12-26/
乾金の剛健さが上に留まり、艮土の静止が下を支える構造は、陰気の台頭に伴って陽気が静かに退き隠れる時節の運行を示しています。命式にこの卦気が巡る時期は、外向きの拡張を一時的に控え、守勢と自己基盤の再確認に注力する移行期間と解釈されます。一言で言えば、今は無理な拡大を追わず、自らの足元を固めて実力を蓄えるのに適した時期です。
星の配置においては土星的な自制と秩序の引き締めに対し、水星の冷静な観察眼が働くことで、過剰な対外活動に自然な制限がかかります。この星回りは、騒がしい競争や不要な社交から一歩身を引き、内面の防衛線と構造的基盤を堅固にする好機となります。一言で言えば、余分な重荷を手放し、安心できる生活基盤を整えることに注力すべきタイミングです。
天が遠ざかり山が動かない構図の中、下から徐々に伸長する二陰の勢いを察知し、君子は自ら退くことで亨通を保ちます。伝統的な易の教えでは、遁の意義は時流の潮目を読んで正面衝突を避け、無傷のまま次なる機を待つ点にあるとされます。一言で言えば、無理に立ち向かわず距離を置くことは、将来の成功を保つための賢明な一手です。
職場で方針転換や逆風、複雑な人間関係に直面した場合、真正面から対抗しても徒労に終わる危険があります。一時的に一歩譲って補佐や内勤に回り、専門技術の蓄積や裏方の調整に徹することで、既存の評価と立場を守ることができます。一言で言えば、今は前に出すぎず柔軟に身をかわすことで、将来の主導権を確保できます。
卦辞が「小利貞」と諭すように、経済的な局面では手堅い維持管理や控えめな資金計画が適しています。背伸びした新規事業や過度な負担を伴う拡張は時勢にそぐわないため、固定費の見直しと手元流動性の確保を徹底することが肝要です。一言で言えば、出費を引き締めて守りを固め、手元の資金を慎重に温存してください。
対人関係において一時的な心理的距離や価値観のズレを感じた際、白黒をつけようと性急に迫ると亀裂が深まる恐れがあります。お互いに十分な時間とプライベートな余白を与え、感情的にならず冷静な思いやりを示すことが関係の安定をもたらします。一言で言えば、相手を追い詰めずゆとりのある間合いを保つことが、絆を守る近道です。
山の静けさと天の硬さが交わる時期は、気の滞りや関節、呼吸器系への配慮が伝統的な養生論において推奨されます。消耗の激しい行動を控え、規則正しい睡眠と穏やかな休息を優先することで、乱れがちな自律神経を整えられます。一言で言えば、心身を酷使せず、十分な静養を取って内なる活力を回復させましょう。
外部からの刺激が落ち着く潜伏期は、自己の内面を静かに見つめ直し、実力を養うための貴重な時間となります。表層的な情報や交際を整理し、読書や技術の習得など長期的価値のある学びに集中することで、停滞感を豊かな成熟へと変えられます。一言で言えば、外での活動が滞る時期を内面の充実に充て、次の飛躍への土台を築きましょう。
他者との間に利害の不一致や不穏な気配を感じた際は、大象伝が説く「悪まずして厳かなり」という品格ある態度が指標となります。感情的に反発することなく、礼節を守りながらも明確な一線を引くことで、不毛な論争から距離を置くことができます。一言で言えば、丁寧ながらも毅然とした距離感を保ち、余計な揉め事を避けましょう。
運気の趨勢は収縮と防衛の局面にあり、外側へ向かって成果を求める動きには自ずと制約が生じやすくなります。過去からの持ち越し課題や不要な負担を整理し、現実的な水準へ計画を適応させることで、構造的な不具合を未然に防ぐことができます。一言で言えば、無理にペースを上げず守りを固めることこそが、結果として最大の安全をもたらします。
年の運気として遁卦を迎える際は、「守勢を旨とし、本分を守る」ことが全体の指針となります。周囲の動向が慌ただしく変化しても、欲張らずに素早く身を引き、身の丈に合った対応を心がけることで波乱を回避できます。一言で言えば、今年は攻めることより守ることを重視し、堅実に過ごすのが賢明です。
艮の山が宿す揺るぎない落ち着きと、乾の天が示す清廉な気品を調和させ、穏やかで厚みのある響きを持たせるのが良いとされます。軽挙妄動を慎み、時勢に応じて静かに引くべき時を知る自制心を育む意匠が適しています。一言で言えば、落ち着いた品格と慎重さを重んじ、生涯を通じて着実に歩む願いを込めることができます。
この日の気運は新たな事業の開始や華やかな挑戦よりも、物事の整理や引き締めに調和しています。契約の解消や棚卸し、静養、隠遁的な休養など、後片付けや区切りをつける活動に充てることで無用な摩擦を避けられます。一言で言えば、物事の整理や静かな振り返りのために使うことで、無駄なく整然と過ごせます。
住環境の整備では背後の支えとなる安定感と穏やかな気の集約を意識し、東北の方位をどっしりと落ち着かせ、西北を明るく清潔に保つのが吉とされます。強い風や強い光が直接当たる場所を避け、思索や休息に集中できる静かな空間を確保することが安心感をもたらします。一言で言えば、家の中に静かで落ち着ける場所を確保し、心身の安らぎを守りましょう。
遯は亨る、遯れて亨るなり。剛、位に当たりて応じ、時と共に行うなり。小しく貞しきに利ろしとは、浸くにして長ずればなり。遯の時義大なるかな。
天の下に山有るは遯なり。君子以て小人を遠ざけ、悪まずして厳なり。
周易本義卦辞
遯は徒困の反。
遯は退避なり。卦たる、二陰ようやく長じ、陽はまさに退避すべし、ゆえに遯と為す。六月の卦なり。陽はまさに遯るべしと雖も、然れども九五は当位にして下に六二の応あり、猶お以て為すあるべし。ただ二陰の下にようやく長ずるにおいては、その勢いは遯れざるを得ず。ゆえにその占いは君子能く遯るれば身は退くといえども道は亨り、小人は正を守るに利ろしとし、ようやく長ずるの故を以て陽を侵逼するべからず。小とは陰柔の小人を謂うなり。この卦の占いは否の初・二の両爻と相類す。
周易本義彖伝
九五の一爻を以て亨の義を釈す。長は丁丈の反。
下の二陰を以て小利貞を釈す。陰方さに浸長し、これに処るは難しとなす。ゆえにその時義は尤も大なりとす。
周易本義大象伝
遠は袁万の反。
天体は無窮にして山高きは有限なるは、遯の象なり。厳とは君子の自ら守るの常にして、小人は自ずから近づくこと能わず。
伊川易伝卦辞
遯の序卦に「恒とは久しきなり。物は以て久しくその所に居るべからず、故にこれを受くるに遯を以てす。遯とは退くなり」と。夫れ久しくするときは去る相須つの理あり、遯の恒を継ぐ所以なり。遯は退くなり、避くなり、これに去るの謂いなり。卦たる、天の下に山あり。天は上に在るの物、陽性は上進す。山は高く起つるの物、形は高く起つといえども体は乃ち止まる物にして、上に陵ぐの象ありて止まり進まず。天は乃ち上進して去り、下は陵ぎて上は去る、これ相違遯なり。ゆえに遯去の義と為す。二陰下に生じ、陰長じて将に盛んならんとす。陽は消して退き、小人漸く盛んにして、君子は退きてこれを避く、ゆえに遯と為すなり。
遯とは陰長じ陽消え、君子遯蔵の時なり。君子退蔵して以てその道を伸ぶ、道屈せざれば則ち亨と為す。ゆえに遯の亨る所以あり。事においてもまた遯避によりて亨る者あり。小人の道長ずるの時といえども、君子機を知りて退避するは固より善なり。然れども事に不同あり、時と消息して必ずしも同じからず。陰柔方さに長じていまだ甚だ盛んに至らざれば、君子尚お遅遅として力を致すの道あり。大貞すべからずして尚お小貞に利ろしきなり。
伊川易伝彖伝
小人の道長ずるの時、君子遯退するは乃ちその道の亨るなり。君子遯蔵するは道を伸ぶる所以なり。ここには遯に処る道を言う。「剛当位して応ず」より以下は、則ち時と卦才と尚お為すあるべきの理を論ず。遯の時と雖も、君子の処るや未だ必ず遯るべきの義あらず。五は剛陽の徳を以て中正の位に処り、また下は六二と中正を以て相応ず。陰長ずるの時と雖も、卦の才の如きは尚お当に時に随いて消息すべし。苟もその力を致すべくば、至誠自ら尽くして以てその道を扶持せざるなく、必ずしも遯蔵して為さざるにあらず。ゆえに「時と共に行うなり」と曰う。哉。
陰長ずるの時に当たり、大貞すべからずして尚お小利貞なる者は、蓋し陰の長ずるは必ず浸漸を以てして、未だ遽かには盛んなること能わず、君子は尚お小しくその道を貞すべし。いわゆる小利貞とは扶持して未だ遂に亡びざらしむるなり。遯は陰の始めて長ずるにして、君子は微を知るが故に当に深く戒むべし。しかれども聖人の意は便ち遽かには已まざるなり。ゆえに時と共に行い小利貞なるの教えあり。聖賢の天下における、道の将に廃れんとするを知ると雖も、豈に坐してその乱を視て救わざるを肯んぜんや。必ず区区として未だ極まらざるの間に力を致し、此の衰えを強くし彼の手進を艱からしめ、その暫安を図る。苟もこれを為すを得ば、孔孟の屑として為す所なり。王允・謝安の漢・晋におけるこれなり。もし変ずべきの道、亨るべきの理あらば、更に言を仮らざるなり。これ遯の時に処るの道なり。ゆえに聖人はその時義の大なるかなと賛ず。あるいは久しくあるいは速やかに、その義みな大いなるなり。
伊川易伝大象伝
天の下に山あり。山は下に起ちて乃ち止まり、天は上進して相違うは、これ遯避の象なり。君子は其の象を観て以て小人を遠ざく。小人を遠ざくるの道は、もし悪声厲色を以てせば適たま以て其の怨忿を致すに足る。唯だ矜荘威厳に在りて敬畏を知らしむれば、則ち自然に遠ざかるなり。
周易注彖伝
遯の義為る、遯れて乃ち通ずるなり。五を謂うなり。「剛当位して応ず」とは、否亢に非ざるなり。遯れて否亢ならず、能く「時と共に行うなり」。陰道浸漸として長ぜんと欲し、正道もまた未だ全滅せず、故に「小利貞」なるなり。哉。
周易注大象伝
天下に山あるは、陰長ずるの象なり。
周易正義卦辞
正義に曰く、「遯亨」とは、遯とは隠退逃避の名なり。陰長ずるの卦にして、小人まさに用いられ、君子は日に消ゆ。君子この時に当たり、もし隠遯世を避けざれば、即ちその害を受く。須らく遯れて後に通ずるを得、故に「遯亨」と曰う。「小利貞」とは、陰道初めて浸長し、正道もまた未だ全滅せず、故に「小利貞」と曰う。
周易正義彖伝
正義に曰く、「遯れて亨る」とは、此れ遯の亨通を得る所以の義を釈す。小人の道まさに長じ、君子は遯るるにあらざれば通ぜず、故に「遯れて亨るなり」と曰う。正義に曰く、九五の爻を挙げて、能く遯れて亨を致す所以の由を釈す。まことに九五剛を以て其の位に当たり、二に応ありて、否亢と為さざるによる。遯れて否亢ならざるは、即ちこれ時を相て動き、遯れて亨を得る所以なり、故に「剛当位して応じ、時と共に行うなり」と云う。
正義に曰く、「小利貞」の義を釈す。浸とは漸進の名なり。もし陰徳暴進すれば、即ち正道を消す。まことに二陰漸長にして正道もまた即ち全滅せざるによる、故に「小利貞」なるなり。正義に曰く、遯徳を歎美す。時を相て宜しきを度り、世を避けて遯る。大人の幾を照らすにあらざるよりは能く此の如くならず、其の義甚だ大なり、故に「大なるかな」と云う。
周易正義大象伝
「《象》に曰く、天下に山あるは遯なり」と。
正義に曰く、「天下に山あるは遯なり」とは、山は陰類にして進みて天下に在り、即ちこれ山勢上天に逼らんと欲し、天性は高遠にして逼るを受くること能わず、これ遯避の象なり、故に「天下に山あるは遯なり」と曰う。
注の「天下に山ある」より「の象」に至るまで。
正義に曰く、陽を積みて天と為し、陰を積みて地と為す。山とは地の実にして高峻なるもの、いま上天に逼るはこれ陰長ずるの象なり。正義に曰く、君子この遯避の時に当たり、小人進み長ずれば理として須らく遠く避くべし。力能く討つことあたわざれば、故に悪を為すべからず、またこれと褻瀆すべからず、故に「悪せずして厳なり」と曰う。